毎日の食事は健康管理の基本です。そして、食事から摂る栄養素のバランスを適切に保つことがとても大切です。
とはいえ、どんな栄養素が必要で、それらを何からどれぐらい摂ったらよいのか、自分の栄養はバランスが取れているのか、あるいは何が足らないのかなどを正確に把握することは簡単ではありません。しかし、多様な食材を使った食事をしっかり摂り、偏食にならないように気をつけることで栄養素の摂取不足を防ぐことができます。また、たとえ摂取不足の栄養素があったとしても、体内への吸収率が高まることから栄養欠乏にはなりにくいものです。
栄養不足を心配して健康食品やサプリメントを利用する人も多いでしょう。あるいは、摂ったほうが健康にはよいのではないかと思い、これらを積極的に摂取する人もいると思います。
そこで、問題となるのが過剰摂取です。通常の食事の場合、偏食や過食でもしない限り、お腹が満たされた時点で食事を終えるため過剰摂取にはなりにくいものです。しかし、健康食品やサプリメントになると、手軽に少量でも多くの栄養素を摂取することが可能になります。通常は特定の栄養素を過剰に摂取すると、その吸収率が低下しますので、栄養摂取不足の場合と同じように体を守ってくれる機能が働きますが、それがかえって特定の栄養素の体内での欠乏を引き起こすこともあります。
また、栄養素の過剰摂取によって、お腹の調子が悪くなる、体が火照る、脱水になるなどの比較的軽度なものから、肝・腎機能に影響を及ぼす重大な事態を引き起こす場合もあります。トイレが近くなった、動悸がする、食欲がないなどの心当たりはないでしょうか。
また、処方薬を飲んでいる人は要注意です。薬と過剰な栄養素の相互作用で、薬の作用が弱まったり、逆に強まったりすることがあります。処方薬を飲んでいる人は医師や薬剤師に相談してから健康食品やサプリメントを摂るようにしましょう。数種類の健康食品やサプリメントを摂っている人では、さらに過剰摂取の可能性が高くなりますので注意が必要になります。
このように、体にとって必要不可欠な栄養素は過不足のないように摂取することが重要であって、たくさん摂ればよいものではありません。過不足の判断が難しい場合は、自分で判断せずに専門家の指導を受けましょう。健康食品やサプリメントを摂ることによって効果を実感できないようであえば、使用を中止することが無難です。手軽に栄養素を摂取することのできるメリットを活用して、上手に健康食品やサプリメントを活用しましょう。