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運動生理学博士・彦井先生コラム

2型糖尿病の治療を受けている人に推奨される行動習慣
2025.2.12
厚生労働省が行った「国民健康・栄養調査」(令和4年)によると、「糖尿病が強く疑われる者」の割合は男性18.1%、女性9.1%(いずれも20歳以上)ということがわかりました。男性の5~6人、女性の10~11人に1人が糖尿病を罹患しているということになります。 身体活動や運動を積極的に実施することは、2型糖尿病の治療を受けている人にとって非常に重要です。体重や体脂肪率、有酸素能力の変化に関係なく、身体活動によるエネルギー消費量の増加は、インスリンの働きを改善し、糖質利用を高めて血糖値の急上昇を抑え、長期的な血糖値の動向を示すヘモグロビンA1c(HbA1c)を改善することが知られています。日頃から運動を行っているみなさんは、すでに適切に血糖値が管理されていることと思いますが、運動習慣に加えて、次の点も合わせて考慮し実行することでより大きな効果を得ることができます。
① 座っている時間 定期的に運動する人もしない人も、長時間座り続けることが多い場合(例えば、テレビやパソコンを長時間使用するなど)、その時間を減らすことが血糖値の改善に有効です。アメリカ糖尿病協会は、血糖値やインスリンの働きの改善のため、座っている合間に軽く歩いたり立ったりするなど(1時間に5分程度)の活動をはさむことを推奨しています。
② 食後の活動 食後の軽めの活動は、食後に起こる血糖値の急上昇を抑えることで知られています。食後の活動は、食事からの糖の取り込みを促してインスリン分泌の働きを補完し、血糖値の上昇を抑えることができます。これまでの研究では、毎食後に歩くことで、それ以外の時間に1日30分歩くよりも食後の血糖値が改善されたことが示されています。「夕食後に軽く活動する」といった簡単な習慣が血糖管理には有効です。
③ 歩くこと以外の活動を検討する 2型糖尿病の人の関節炎の有病率は、健常者よりも高く、歩くことが不快となる場合があります。歩行のような体重負荷のかかる運動は、関節痛や炎症などを悪化させる可能性があります。この場合、たとえば、自転車、水中運動(水泳、水中ウォーキング、水中エアロビクスなど)などの体重負荷の少ない運動様式が有効な選択肢となります。 ヨガも、有効な運動様式の1つです。習慣的なヨガは、血糖管理に効果的であることが知られています。筋力トレーニングも、HbA1cを低下させ、血糖値を改善するのに有効であることが知られています。これらの運動を組み合わせて、上手に血糖管理を行いましょう。
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